【第4章】コロナ禍を生き残るために
3月に入りコロナ禍が本格化してきた頃、バラ君から連絡がありこのコロナ禍を生き残るために映像配信を本格導入したいと言われコロナ禍に特化したミーティングを行う。
ただすでに先の共有が出来ていたので「シンプルに設備投資するお金がない、店も守りたいけど、そのために出演アーティストにバッドプロモーション的なワンカメリアルタイム配信をモルガーナとしてはアーティストに提供したくない」という意見であった。そしてモルガーナの認識はコロナ禍は最短でも20年秋までは続くという予想。出演者にとって『視聴者が興味を持てる映像と音』そしてコロナ感染予防的には『密にならない』そして『設備投資は一切できない』が『多少なり収益があると嬉しい』という禅問答のような難題を考えなければいけなくなった。
【第5章】なにを切り捨てるか?
禅問答のようなコロナ禍の中、当初は弊社所有機材でリアルタイム配信をやるという意見が出たが、さすがに20年秋まではそれはできない。
日々機材のセットもボランティアでは不可能だし、レクチャーすることも難しい、密を防ぐためには1日1組の配信。集客が見込めるアーティストは良いけど、そうでないアーティストには厳しい、長期戦になれば体力も精神も疲弊していくであろう。
最短でも秋、最悪アビガンやレムデシベルという他の病からの流用ではない治療薬が出来るであろう2年、それは避けなければならない。
私とバラ君の見解ではまず『マルチカメラは外せない』となった。
そしてコロナ禍の中、コロナウイルスの感染者が出演するのは問題があるけど、感染の有無がわかるのは医療従事者でない私たちが認知出来るのは約2週間後。それならばモラル的にも撮影日に感染していなかったことが確認出来るので【ライブハウス=コロナ拡散場所】をこれ以上イメージさせないためにもリアルタイム配信はしないほうが良いとなった。
最短で2週間の編集期間が得られるのもありがたい。
協議の結果『マルチカメラで収録撮影』は決まった。
今度は予算とスキルの戦い。
このコロナ禍、どこのライブハウスも瀕死で困窮もちろん全てのライブハウスがそうではないだろうけどモルガーナは言っちゃ悪いがバラ君をはじめとしたスタッフがこの状況で困窮する山口オーナーの下、一枚岩となりアルバイトたちも無給で良いから何かチカラになればと店のために必死に戦っている。
「とにかく予算は1円でも少なく」
これは困窮するライブハウスの現場責任者として譲れない部分。
「でもバッドプロモーションはアーティストのためにならない」
そして
「支援してくれる団体は多くあるけど、自分たちもアーティストのためになる活動がしたい」
「もちろん店舗として儲けたいではなく最低限の売上も出したい」
という禅問答的なお題、4つが出揃った。
◯まず切り捨てるは
人気YouTuberを見たことがある人は多いと思うが 、私はあまり好んで見ない。
Youtuber全てではないがビデオカメラのマイクで収録される音声がテレビに慣れちゃってるテレビ世代には馴染まず、常々快適な映像視聴には【優良な音声】が必須だと思うが、逆に多少画が粗くても音声がクリアであれば見れちゃうのもテレビ世代の認識なので、もちろん最低限、画のクオリティは必要だけど犠牲にしても良いのは画なのではないか?ということで実験を経た現在のスマホの解像度ならばそれで良いであろうと判断する。ただスマホ収録の音声は厳しいので音はPA のライン録音をベースにすることにした。
私は自宅での編集はAdobe Premiere Pro CC(月額課金制)を使用しているので、私が編集するには問題ないが『予算を1円でも少なく』の問題解消には向かない。
この部分も後に記載します。
しかし、これで撮影編集する方針は決まった。
20年3月末になっていた。
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コロナ禍の厳しいところの一つとして、新型ゆえに日々情報が更新されること。
昨日の常識が今日は通用しないなんてことも珍しくない。3月31日東京都とモルガーナが直接協議する機会があった。
モルガーナはその日から営業自粛に突入。
これは後(4月18日)に撤廃されるがライブ配信、リアルタイム配信ともに数日後にできなくなるであろうとのこと。
当初4月15日以降に実験的な撮影と編集を予定していたが、それすら出来ない可能性があるということ。
4月1日早朝(31日深夜)急遽明日2日にメンバー、スタッフの来店が決定していたCHIIで実験的な撮影をすることが決定する。
少々脱線だが、3月上旬からいち早く自宅に引きこもっていたため【約1ヶ月リハしていないし、コロナ激太りでライブが出来るコンディションに無い】というCHIIメンバーの意向は、この日を逃すと撮影不可能の可能性があるため一切無視しておこなわれた。
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『設備投資0円、スマホ使ってマルチカメラで出来る有料ライブ配信方法』
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●【第1章】バッドは死を意味する~【第3章】ネット、視聴環境
●【第4章】コロナ禍を生き残るために~【第5章】なにを切り捨てるか?
●【第6章】撮影使用設備~【第7章】実際の撮影
●【第8章】編集準備~【第9章 編集】
●【第10章 映像公開】